2011年6月1日水曜日

世界からお金持ちを集めて

『デフレの正体』で、「どうすればいいのか」の章に、ちょっとつけたしのようだけど「外国人観光客・短期定住客を増やす」という項目がある。

シンガポールに行って、やっぱりすごく外国人観光客誘致に力を入れているなあと思った。九寨溝だって、中国政府は予想以上に頑張っていた。日本はどうなんだろう?

ブラックペッパークラブ!時価で4000円くらい。殻と格闘しながらいただく。

『デフレの正体』の主張は、すごーく乱暴にまとめると、「内需が落ちているのは景気が悪いから」というのは間違いで、「日本の生産年齢人口が減少しているから、国内で物が売れなくなったのだ」というもの。

国際競争力うんぬんは内需不振の原因ではないし、都会一人勝ちではなく日本全体の内需が落ちている。処方箋としてあげられがちな、「生産性を上げろ、経済成長率を上げろ、インフレ誘導をしろ、モノづくりのトップランナーとしての立場を守れ」という話に実効性が欠けることも書かれている。


そして、観光業は、消費者の減少という日本の病に副作用なく効く、内需拡大策のひとつと紹介されている。間接効果を含めると、決してばかにはできないとか(p.240)。

日本が2008年に訪日外国人からいただいた国際観光収入は、約1兆円。これでも、ビジット・ジャパン・キャンペーンで倍増した。しかし、人口が日本の1/25のシンガポールでも同等の一兆円を稼いでいるそうな。

チャイナタウン。みんなよくオープンエアの店で食べられるなー。暑すぎ。

で、考えたんだけど、シンガポールはもちろん楽しかったが、正直言って、観光地としては、それほど、ずば抜けて、面白いとは思わなかった(ゴメン)。

まずマイナス・ポイントはあの暑さ! 曇っていて幾分過ごしやすいはずなのに、日本でひと夏に数回あるかないかという、ものすごく蒸し暑い日のよう。チャイナ・タウンやリトル・インディア、アラブ・ストリートなどの通りは、ちょっと歩くだけで汗だらだら。もちろん室内はガンガンに冷房されているが、それがまた消耗する。

シンガポールの季節は「hot」「hotter」「hottest」しかないというが(笑)、一年中あんな気候なんて信じられない! 「暑くもなく、寒くもない」気候がどれほどありがたいか分かった。

バード・パークの鳥。私の髪を一生懸命羽づくろいしてくれた(?)

それから、言ってもしかたのないことだけど、やはり国土の狭さ。さらに、歴史に登場するのは14世紀からで、それ以前の古い建物や美術品もない。

しかし、それだけハンデがあっても、やっぱりシンガポールは観光大国なんだ。
(もちろん、英語が完全に通じるというアドバンテージはあるけど)

シンガポールの「観光地をつくる」情熱は、びしびし伝わってきた。バード・パークやナイト・サファリなどの定番観光地は、一度行けば十分ながらも、ツアーもパンフレットもショーの構成も充実している。ユニバーサル・スタジオも、各種のエスニックタウンもある。銀座より活気あふれるブランド街もある。空港で乗りつぎに5時間以上ある客には、無料で市内観光ツアーに連れて行ってくれる(!)


そして、今も、どんどん近未来的な建物をつくっている。奇抜なデザインのマリーナ・ベイ・サンズのもそのひとつだし、セントーサ島でも森を切り倒して何かつくっていた。


セントーサ島に渡るケーブルカーから。何ができるんだろう?

日本も、もっと観光業に力を入れてもいいんじゃないかと思った。
いや、今すぐは、福島の放射能があるから難しいけど……orz

エミレーツ航空に乗ったとき、「豊かな自然に恵まれたエキサイティングな観光都市、ドバイ……(うろ)」というレベルの高いPR映像を見て、もちろんドバイはエキサイティングだろうけど、「南は沖縄から、北は北海道まで、春、夏、秋、冬、さまざまな気候が楽しめ、生物の固有種も多い日本のほうが、ずっと、ず~~~っと豊かな自然がありますよ」と思わずつぶやいたことがある。

日本は、プアな英語力という大きなハンデはあるものの、豊かな自然と文化は強力な観光資源であるはず。しかし、シンガポールとは、「世界中のお金持ちを集め、消費してもらう」という意気込みが、まるで違うことだなあ、と感じた今回の旅行でした。

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