三輪山登拝記(大神神社、狭井神社)
箸墓古墳の先に三輪山を望む
三連休に奈良に行ってきました。
最大の目的は、三輪山の登拝(^0^)/
三輪山は、古代から神が宿ると崇められた山です。
登山ではなく、敬虔な気持ちで登らせていただくという意味で、「登拝」という言葉を使います。
麓の大神(おおみわ)神社には本殿がなく、三ツ鳥居から山それ自体を遥拝するという、日本のもっとも古い信仰のかたちを残す神社となっています。
おそらく、日本でもトップクラスの強力なパワースポット。念願だったのでうれしい(^-^)
7月17日、天気予報で雨なのは分かっていましたが、雨雲レーダーとにらめっこすると午前中に止むようだったので、ともかく現地に行ってみることに。だめだった場合は、大神神社と狭井神社だけでも参拝できればいいかな、と。
JR奈良駅から桜井線に乗って、朝9時ごろJR三輪駅で降りると、本降りの雨!!
(ちなみに、この路線は単線で30分に1本しかありません)
10分くらい歩いて、大神神社の二の鳥居に出ました。
ご覧の通りで、雨の中で撮ったので、今回の写真はあまり綺麗ではないです。
それに雨が激しかったり、下山後に疲れていたりして見逃しているスポット多数(-_-;
こんなお天気ですが、それでも、二の鳥居をくぐると空気が変わります。
すがすがしい感じ。
参道のいちばん手前にある、「祓戸神社」。
心身を清めてくれる神様の前でまずお参りをします。
そして、どんどん激しくなる雨……!
すぐ隣に、「夫婦岩(めおといわ)」があります。
苔むした自然の岩がふたつ、寄り添って並んでいる。
夫婦岩の先の手水舎で両手を清め、階段を上がると、
りっぱな拝殿が目に飛び込んできます。
徳川家綱公の再建(1664年)。本殿はありません。
拝殿の奥にある「三ツ鳥居」から、ご神体の三輪山を拝む原初の神道のかたちをとります。
「三ツ鳥居」の拝観は、左手の参集殿で申し込みできます。……それは知っていたのですが、山を降りてからと思っていたら、そのときは疲れ切っていて、そのまま通り過ぎてしまいました(^^;
それにしても、上の写真、相当な雨であること分かりますか!?
いやぁ、歓迎されてないのかなぁ(笑)
なーんて、思いましたが、山中に入ったときの感じはよかったです(後述)
結果的にはいい登拝ができましたよ。
境内右手に、立派な杉の木があります。
「巳の神杉(みのかみすぎ)」。
御祭神、大物主大神(おおものぬしのおおかみ)の化身である白い蛇が棲むご神木だそうです。
卵とお神酒がたくさんお供えされていました。
根元に本物の蛇が出ることもあるそうです!
このあたりで、雨の降り方がとくに激しく(笑)。
右手に行くと「神宝神社(かんだからじんじゃ)」、「天皇社」があるのですが、あきらめて狭井神社に向かうことにしました。三輪山への登拝口は、小道で繋がった摂社の狭井神社にあります。
「くすり道」という薬草、薬木が植えられた小道を抜けていきます。
狭井神社は病気平癒の神様で、薬業関係者の信仰が篤いそうです。
「さい」とは小百合のことだとか。4月18日の鎮花(ちんか、はなしずめ)祭の優美な写真を見たことがあります。一度行ってみたいですね。
小道の途中に、小さなお社があります。「磐座(いわくら)神社」。
個人的に大好きな、少彦名神(すくなひこなのかみ)をまつるお社です。
柵の中をのぞくと、小さな岩があります。
これも磐座(の一部?)なんですね。
しっかりお参りしました。
すぐ、狭井神社に着きました。
左奥に池が見えます。手前に「市杵島姫(いちきしまひめ)神社」があります。
手水舍を使ったら、狭井神社にお参りです。
こじんまりしていますが、緑に囲まれ、厳かな雰囲気のお社でした。
裏手の「薬井戸」で、湧き水を汲んだり飲んだりすることができます。
思ったより、現代的な施設(蛇口)で驚きました~。
雨はだいぶ小降りになっていて、ほとんど止みそうな感じです。
「ここまで来たからには登ろう」ということで、登拝の申し込みをします。
紙に住所、名前、緊急連絡先を書き、鈴のついた白いたすきを受け取ります。
これは登拝中ずっと首からかけていなくてはいけません。
初めてと告げると、細かい注意事項を受けます。
まず、山の中では飲食禁止。ただし、熱中症予防のため水だけはとることができます。
カメラや携帯電話による撮影は禁止。
たばこ、焚き火など火の気は厳禁。
ゴミを放置しないのは当然ですが、山中の草木、土、石なども一切持ち帰ることはできません。
もちろんトイレもない。
供物(たまごなど)は放置すると動物が来ることがあるので、お供えした後、必ず持ち帰ってください、とのこと。
登り始める前に、用意されている白い幣を取って、自分をお祓いするように言われました。
この先は、写真撮影禁止なので、文章だけで描写します。
三輪山の登拝口。
最初の急坂を過ぎると、しばらくは、なだらかな尾根道。
大神神社の二の鳥居をくぐったときも、「あ、聖域に入ったな」と、空気が変わるように感じましたが、山中に入ると、またいっそう俗世界を離れた感じが強くなりました。
この尾根道を歩いているときは、気分もよく、上機嫌でした(^^)
雨はほとんど止んで、傘はささず、雨よけとして帽子だけかぶっていました。
木々が茂っているので、晴天でもあまり日は射さないと思います。
見晴らしを楽しむような山ではないです。
丸太橋を渡ってすぐに、「三光の瀧」という場所に出ます。
温泉の打たせ湯のように、滝の水が桶に注がれていました。
水垢離をする場所のようです。
簡素ながらも個室(?)の脱衣所が完備されていました。
ここでペットボトルの水を飲んで少し休憩。
私たちが休んでいる横を、白装束で裸足の方が登っていかれました。
この後、何人も同じような方を見かけました。多くは女性でした。
それだけ深い信仰を集めている山なんだな、と思いました。
滝の水に手を浸していると、青い蝶が地面の水を飲んでいました。キレイ~
下りのときもいたので、ここで水を飲むことに決めているんですね。
再出発するとなぜか急にキツくなって、といっても、道はあまり変わっていないのですが、少し休んだことで、かえって体が「つらいつらい」と言い出したみたいで(笑)
雨が止んで、ときどき日が出るようになったのですが、そのぶん暑くなって湿度もすごく、山全体が蒸し風呂のよう。汗をかいても乾かないし、ズボンも何もかも体に貼りついて、大変でした。
標高467メートル、4キロの行程なので、登山に慣れていれば小さな丘みたいなものかもしれませんが、私は「三光の瀧」以降は、ひたすら修行という感じでした。長く休憩するとまたキツくなりそうだったので、ときどき立ち止まる以外は、「登っていれば…いつかは…頂上に着くはず…」とひたすら念じながら、体を持ち上げました。
いやいや、がんばった。
最後の3分の2くらいの地点がいちばんキツかったな(笑) 日頃の運動不足がたたりました。
すれ違う人とは、普通の登山のように「こんにちはー」と小声で挨拶をかけあっていました。
朝一番(9時から)で登られた方が下りてくるのとすれ違うことが多く、登ってくる人はまだ少なかったです。
山道の状態は、確かにぬかるんでいましたが、それほど悪くなかったです。
むしろ、きちんと整備されていると思いました。もちろん、山道として見れば、ということで、岩や木の根だらけの急坂は、それなりの靴でないと登れませんが。
長くなってきたので、その2に続きます!
三輪山登拝記その2(奥津磐座)
大神神社。
御祭神はもちろん大物主大神。
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