横浜そごうの「魅惑のドールハウス展」

横浜そごうの「魅惑のドールハウス展」に行ってきました。
1/31までなのであと二日しかないんですが。

いやー、ほんと可愛い!
イギリスの児童文学を思い出しました。
メアリー・ノートン『床下の小人たち』、ピーターラビット、ルーマー・ゴッデン『人形の家』。

撮影OKだったのも嬉しいです(最初はカメラを構えずに見ました)

作品保護のためか場内は薄暗いので、iPhoneが一番きれいに撮れました。
本来のコレクションは、箱根のドールハウス美術館にあるそうです。


以下、いくつかのハウスを抜粋でご紹介。
(長い記事なので興味ある方だけどうぞ~)

まずは、一番すばらしいと思った、貴族の館ふうドールハウス。

ハスケル・ハウス



ドールハウスの二大コレクションの一つ、ヴィヴィアン・グリーン・コレクションから。

ハウス自体は18世紀に制作されたもので、確かに古色蒼然としていました(それがいい)。


内装がとにかく豪奢なのです。

壁も漆喰だったり、本格的。


カーテンの生地も本物っぽい。


バラ色のおへや。


でも私が一番好きなお部屋は

↓↓↓


これですね!

ヨーロッパの古い城館そのものという雰囲気がある。


チューダー様式の現代の家(クリスマスイヴ)


チラシにも載っている三階建て+屋根裏のお家です。


このドールハウスで一番心惹かれる点は、



ちっさーい皿の上の、クリスマスのご馳走!

食べ物が好きなので、一生懸命撮ってしまいました。
このキュウリの魚も、ケーキもチーズも、美味しそうによく出来ている。


パイナップルが乗ったハムも美味しそう。

ちなみに自分の記憶の中に、

「ねずみが人形の家に入り込んで、お皿の食べ物が食べられないので怒って叩き壊している絵」

があって、しばらく思い出せなかったのですが、ピーターラビットでした!
2ひきのわるいねずみのおはなし

あーこれだわ。
ピーターラビットといえば子猫が猫まきだんごにされかけている絵も覚えてます(笑)


デモイン・バンガロー



二大コレクションのもう一つ、アメリカのモッツ・ミニチュアコレクションから。

これも素晴らしいものです。
かなりの大きさがあり、四方から部屋を覗けるようにできています。

制作したアレグラ・モッツさんたちの1932年ごろの暮らしが再現されています。


食堂には子猫を乗せた猫。

絨毯からレースのテーブルクロス、食器棚、硝子の器、芸が細かいなんてもんじゃ。


暖炉のある広間。


反対側にあるベッドルーム(子ども部屋?)


バスルーム。

何、この細かさ! よくこんなにこまごま作る気になったなぁ。


ランプに照らし出された籐椅子と本棚、すばらしく雰囲気がある。


別の角度から。白猫が水槽を狙っている。


モッツ雑貨店


これもモッツ・ミニチュアコレクションの代表作です。

開拓時代のアメリカに実際にあったお店を再現しているそうです。
「大草原の小さな家」を思い出しますね。


とにかく物量が半端ない。。。

当時の雑貨店は、手紙を受け取ったり、電話をかけたりする場所でもありました。
なので、右側にメールボックスとメール係おじさんがいます。


すっごいなあ。。。

あと、こういうドールハウスの保管は、どうしているんだろう。


バナナがぶら下がり、赤ちゃんが体重計に乗り、
ジーンズっぽいものが売られ、
デリ(?)のショーケースみたいなものもあります。


ピルグリム(清教徒)の住居



これも「アメリカの歴史」シリーズ。

17世紀初頭、プリマスに移住した清教徒たちの、質素な住居を再現。


ネイティブ・アメリカンが暮らし方を教えに来ていて、トウモロコシを食べています。

これも何となく「大草原の小さな家」っぽい。


エルムウッド・スクールハウス


思わず「赤毛のアンだ!」と思ってしまいました。あれはカナダだけど。


ここはアメリカなので、ちゃんとリンカーンの絵が飾ってあります。

1917年にアイオワ州にあった小学校がモデルだそうです。


教室の後ろにある蝶の標本は、ナショナル・グラフィックから切り抜いて貼ったらしい。

よく見ると、


下のほうに岩石の標本らしきものも……?
(写真がボケててすみませんが)


セダーズウッド・ブリッジ



ちょっと展示を戻りまして、またヴィヴィアン・グリーン・コレクションより。

イギリスで19世紀に作られたハウス。
1865~70年に作られた壁紙、家具が付属していましたが、オークションでバラバラになってしまったそうです。

(壁紙は当時のままです)


で、これが在りし日の姿。

この人形たちで、ひとつふたつ、お話が作れそうだ。
みんなどこに行っちゃったのかなぁ。


これが現在の様子。
確かに壁紙はもとのままですね。
でも、やっぱり少しさびしい感じ。



日時計とエレベーターつきハウス



ゼンマイ仕掛けのエレベーターが付属していたドールハウス。


ミニチュアの食べ物、好きなので一生懸命撮ります。


お茶セット。奥の絵もいい感じ。


トーマス・ハーディの家


グラハム・ジョン・ウッズさんという茅葺屋根のドールハウスを得意とする方の制作。
茅葺はココナッツの皮の繊維を使うらしい。

実際にトーマス・ハーディ(イギリスの作家)の生家を再現。

この家、レンガもすばらしいが、この外壁の植物が!(@_@)
と、思ったら、これはジル・ローリングさんという別の人の手によるものらしい。


いや、ちょっと、これは、すごい。

よく見てください。
レンガに絡まる蔦、いろいろなお花。


内部は割と質素なのですが、かわいいです。


やっぱり外観がすごい。


英国の鉄工場


こんなのもあるんですね。

もはやドールハウスと言っていいのか分かりませんが。まあ、人形はいますが。


最初、セールスマン用のサンプルとして作られたそうです。

燃料はアルコールで、あとは本物と同じ動きをするらしい。


映画シャーロック・ホームズ的世界(?)


ドールハウスの人形たち



三種類展示してありました。

これは一つめで一番古いペグ・ウッデン・ドール。木製。
オランダが発祥だったので、ダッチ・ドールとも。


ルーマー・ゴッデン『人形の家』のトチーは、とちの木で作られた「小さなオランダ人形」だから、きっとこういうタイプですよね!

実物を見ることができて、嬉しかったです。

『人形の家』は、河合隼雄の『ファンタジーを読む』で知りました。

人形たちの世界、ドールハウスを持っている二人の姉妹の世界、と、平行してお話が進むんですが、だんだん人形が人形とは思えなくなってくるんですよね。


続いて、チャイナ・ドール。

人形の頭が陶器でできている。


パリアン・ドール、または初期ビスク・ドール。

だんだん人間らしい顔になってきてます。


まただいぶ展示をさかのぼりますが、こうした小物類もありました。

これをつくる情熱。


現代の作家のドールハウス

他にも、タイム誌に乗ったドールハウスとか、美術館ハウスとか、キッチンのなべ・やかん類がすごいニュルンベルク・キッチンなどもありました。

シルバニアファミリーもあり!

現代作家の作品では、あいさわかずこさんの「平安京」と、湘南T-SITEでも見たことがある(たぶん)奥川康弘さんのパン屋さんの作品。素敵でした。






床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)

いちおうジブリの『借りぐらしやのアリエッティ』の原作だけど、原作のほうがずっと好き。

とくに、二作目の『野に出た小人たち』は、何度も何度も読んだなあ。
ドールハウスが出てくるのは『床下の小人たち』だけど。

このシリーズの魅力を何とか伝えようと、渾身の読書感想文も書いたけど、学校の先生には全然分かってもらえなかった記憶が。。。
でも、本当に、小人になって生きてみたい、イギリスのこうした自然の中を冒険してみたい、って強く憧れるんですよ。大好き。



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