2011年3月10日木曜日

『ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階』

ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階
ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階
ジェームズ・C・コリンズ(James C. Collins),山岡 洋一

経営者にはなったことがないから分からないが、従業員の観点からいうと、この本は買って読むほどのことはない本だ(買ってないけど(笑))。たとえ今勤めている会社がほんとうに衰退の五段階のどこかにいたとしても、役員クラスでもなければ会社の進む方向を変えるのは難しい。力のない従業員がこんな本を読んだら、「こことここが当てはまる。うちは第三段階だ」など、日ごろの不満に対する鬱憤晴らしのネタになるだけの可能性大。

それにしても、どうしてこう、物足りない読後感なのか(笑)。

たぶん、科学的な態度で一般化をすることで、衰退する企業についての深い実感のようなものが抜け落ちてしまったのかもしれない。人間の性格をタイプであらわしても、その人と実際につき合うときにはあまり役に立たないように……。

 偉大な企業はいずれも、何よりも、みずから自分を管理する人材、みずから動機をもつ人材に依存している。(中略)規律の文化というと、規則や硬直性や官僚制が特徴になっていると思えるかもしれないが、実際には正反対である。適切な人材が集まり、各人が責任を受け入れていれば、大量の無意味な規則や愚かな官僚制度はそもそも不要になる。
(p.101-102 『第二段階 規律なき拡大路線』、一部勝手に下線)

このページに書かれていることは納得できることばかりだった。でも、それはわたしの会社員生活の記憶がベースにあるからで、人によっては言葉の意味は理解できても、それほどピンとこないかもしれない。経営者はこういった抽象的で一般化された記述を、どのくらい自分の会社に引きつけて考えられるのだろうか? 深い実感とともに緊迫感を持てるのだろうか? 著者も、科学的な一般化のつまらなさに気づいて(いや、一般化は大切だけど)、付録に個別の企業の事例を入れたのだろう。

今働いている人たちのリアルな悩みという点では、下記のブログも面白い(^^)。

『職場を生き抜け!』
編者の会社観はわたしには少し古いように思えるけど、きわめて現実的ではある。それに、読者からのコメントが面白い。皆、それぞれの会社でいろいろ考えて、生き抜いているんだなあと思った。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100520/92290/

【メモ】
企業の衰退の五段階:第一段階「成功から生まれる傲慢」、第二段階「規律なき拡大路線」、第三段階「リスクと問題の否認」、第四段階「一発逆転策の追求」、第五段階「屈服と凡庸な企業への転落か消滅」。

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